黒澤明、用心棒見た。

黒澤作品の良さというのが、ようやく理解できた。黒澤作品の魅力は、映像と構図がとにかく美しいこと。どの一枚のフレームを取ってもまさに絵画のように「絵になる」。用心棒で多用されてたのが、奥と手前でレイヤー構造になって同時展開されるパララックスっぽいやつがあるけど、ああいうのもめちゃくちゃ楽しい。

ストーリーは、最初なんかつまらんかなあと思ったけど、ちゃんと面白かった。主人公が知恵を絞って敵を騙してのけるが痛快。キャラクターもいい。

芝居に関しては、なんかどうってことないのかなと感じた。三船敏郎が拷問受けて息も絶え絶えになってることぐらいかな。芝居は全体的にリアルでなかったと思う。

映像が白黒であることも重要なポイントだと思う。あれがフルカラーだったら、おそらくかなりしょぼく感じてたはず。白黒だからこそリアルに感じた。つまり、メディアという満たすべき箱の容量が小さいがゆえに、返って簡単に質量を満たせて、結果リアルに感じさせることができるのだと思う。制限を逆手にとってリアリティを実現するという原理にとても興味がある。

Taiju Muto @tai2